最後の少数越境「線たちの12月」、とてもいいシナリオだった。特に透の「ただいま」はずるい。まあそこらへんの感想はおいとく。
このシナリオが特別なのはルカがシーズ以外の283プロアイドルと初めてがっつり絡むという点だ。その最初の相手が灯織なのだが、この人選、かなり巧い。もう最初から灯織と絡ませるつもりでベリソからの少数越境を組み立てていたのかもしれない。
ああいうシナリオにする場合、他にも成立する娘はいるっちゃあいるが、でも灯織だと物凄くスムーズに腑に落ちる。おばばに優しい嘘を自然と吐けるのが透であるように。まあ今回は本当にみんなそれぞれ相応しい役割を与えられてそれを巧く演じていたと思える素晴らしい内容だった。それでいうと「ロング・ログ・エンドロール」はあまりそういうのはなかったかも。自分の読み込みが足りないだけかもしれないけど。
さて、灯織だけけでなくシャニPともようやく面識を持ったルカ。美琴WINGで遭遇はしてるけど挨拶はしてないからシャニPは「はじめまして」と挨拶したわけだが、ルカはちゃんと覚えていたという事と、努やにちかだけでなく283プロ自体に強い敵愾心を持っている事が判明。坊主憎けりゃですかね。
シャニPはルカの美琴への感情や努やにちかとの因縁を知ないので困惑してたが、「見えてないものがある」とは理解した。努に訊けば一発だが、ルカの事はシャニPにはさすがに関係がないので、彼が自ら話すにはまだ因子が足りない。
ルカとは直接関係のないやり取りになるが、ラストで咲耶、凛世、透、小糸、灯織達の会話シーンを振り返る。
毎度のあらすじポエム、あれは努と七草父のやり取りだろうか。
今回のサポSSRイラストは地面に家の間取り描いている。
努は283プロを家のような場所にしたいと考えている。
ラストの灯織の感慨から考えても努の願いはある程度叶っているように思う。ただ今回努の出番が一瞬しかなかった事から考えても、これで努の物語が終わったわけではないだろう。283プロは283アイドル達の家のような場所になってきてはいる。その事と、仲良しごっこを否定するルカの対比が示すのは何か。ノーカラットのラストでにちかが不穏な未来を暗示しているように、シーズだけでなく283プロも巻き込む何かがルカとの間に起きるのかもしれない。
ただ上記灯織の「こんなふうに、なれないかな」とはルカとの関係の事も言っているのだろうし、努もルカの事を気にかけている。ルカの方はますます陰鬱な心になっていっているが、ルカとの物語の着地点を考えた時に、最終的には大団円で終わるはず。それが「ルカが283プロに加入する」という絵なのかはわからないし、未だその絵を描くための線はあまりに足りないが、今回のシナリオはその絵を描いてくれと私達が願い、祈るための話なのかもしれない。
次は全体越境たのんます